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「宝石の国」フルCGアニメでコミカルなのに深い哲学感が堪能できる作品。評価・感想などおじさんが勝手にレビュー♪

2024年2月15日

「宝石の国」フルCGアニメでコミカルなのに深い哲学感が堪能できる作品。評価・感想などおじさんが勝手にレビュー♪

宝石の国(ほうせきのくに)はアフタヌーン連載の市川春子の漫画が原作。漫画もおすすめですが、アニメの方もぜひ! いつもはアニメを観ない人にこそ観てもらいたいカテゴリーです。

著:市川春子
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【アニメ】 宝石の国

漫画が原作だと 話を端折りすぎてなんだかよくわかんない状態になっちゃって、ありゃりゃっていうのが多いんだよねw。逆に漫画の画力を大幅に超えてしまって、すごく売れたんだけど別物っていうのもはっきり言って多いですww。

そういう意味では、「宝石の国」は原作の世界観を見事に補完している上に、別の価値観まで生み出しているっていう、ちょっと類を見ないタイプのフルCGアニメーションです。

実際には、かなり有名なCGクリエイターがかかわってくれたからだっていう話もあるみたいなんだけど、その辺の理由はちょっと私、あまり詳しくないんで、気になる人は調べてみてくださいww。

フルCGアニメーションではあまり見たことがない独特の色彩美と表現方法で、宝石のキャラクターにメチャマッチしててすっかり私ハマってしまいましたww。フルCGで作った理由がちゃんとあるんですよねw。CGじゃなきゃあの宝石の光の加減とか、頭がぶつかると割れてしまう硬さの表現とかできないと思いますもん。独特の世界観が堪能できますよ。
主人公のフォスフォフィライトが明るくポップなキャラなので、ある程度子供向けだと思ったら大間違い、コミカルなのに深い哲学感がグサグサ刺さってくるアニメです。日頃アニメをあまり見ないっていう人ほどぜひ観ていただきたいと思ってますよww。

「宝石の国」の不思議で壮大な、でも分かりやすいストーリー

「宝石の国」の不思議で壮大な、でも分かりやすいストーリー

宝石の国(ほうせきのくに)はアフタヌーン連載の市川春子の漫画。
アニメは1クール12話分で完結。漫画は休載を挟んで現在も連載中です。
アニメは多分、う~ん1期で終わりだろうなぁ、、、続きはないと思うw。

いわゆるファンタジー作品のジャンルに入るんだと思うんだけど、ちょっとほかの作品では見られないような、壮大な曖昧さと独特の世界観が魅力だよね。理系というより文系って感じw。あの独特な世界観が、アニメでは綺麗すぎるフルCGアニメーションで表現されていて一部のファンからはひどいと不評みたいww。でも私は逆に、壮大な曖昧さの中にリアリティのあるCG表現があるからこそ分かりやすくなっていると思ってます。宝石という特殊なキャラを、CGじゃなかったらあんなに上手く表現できなかったんじゃないかな、手描きじゃ無理でしょww。

私は一気に引き込まれちゃったんだけどね?

なるべくネタバレ無しでいきたいと思うので、簡単にストーリーを紹介。

宝石の国は、人類が滅び去った遠い遠い未来、人類に代わり生きている宝石たちの物語です。
先生と呼ばれている人物(金剛)と宝石は28人。「硬くて脆い」宝石たちは、それぞれ宝石の種類によってその硬度と特性が違っているという個性があります。ストーリー中では特に触れてないんですが、おそらくこの星(地球?)には陸地はこの宝石たちが住んでいる島しかなく、あとは海なのかな?

宝石たちの中で最年少の主人公フォス(フォスフォフィライト)は、宝石としては硬度が硬度三半とひときわ脆く力も弱くて戦闘に向かない。また、他の仕事の適性もない。どんくさくてみんなの足を引っ張ってばっかりという存在です。でも根拠のない自信に満ち溢れてて諦めが悪く、そのくせ口と態度だけは一丁前という、まさに正真正銘の落ちこぼれですw。学園のような空間で平和に暮らしているように見えるんですが、時折、空から突然やってくる月人(つきじん)にさらわれないように自衛のため他の宝石たちは戦い続けてます。

そんなフォスに、300才を前にしてやっと初めての仕事が与えられます。ただそれは、博物誌編纂というよく分からない仕事w。地味な仕事に不満なフォスですが、様々なことを経験する中で、しだいに大きなうねりに飲み込まれていく。そしてついに、彼は望まぬかたちで、欲しかった「強さ」を手にするのだった―――。

自分たちは何者なのか? 月人とは一体なんなのか? 哲学的な思想が織り交ぜられてストーリーは展開していきます。

やはり特筆すべきはこの世界観でしょうね。
漫画の方ではこの後いろいろ謎が解けていくんだけど、アニメの方はこれから解いていくぞっていう意気込みを誓って、終わります。なので、やはりアニメと漫画は微妙にテーマは違うと考えておいた方がいいんじゃないかなと思いますね。

生物としての宝石たちの存在も象徴的です。
宝石たちは欠けたり割れたりはするんですが、基本死にません。歳も取りません。
よく見てると分かりますが、上半身は少年、下半身は少女のバランスで構成されていて、性別もありません。
学園物なのか? と思ってしまうような空間で、キャッキャウフフッしながら比較的平和に女子寮感覚で暮らしてるって感じですわww。4000才だとか300才だとか、なんだか普通に出てくるんだけど、これって、永遠に思春期を繰り返しながら記憶が100年単位で続いていくっていう怖さもはらんでるんですよねw。

唯一、おそらく男性だと思われる僧侶のような格好をした先生(金剛)と言われる存在も謎の一つなんだよね、当たり前のようにいるけど、宝石たちとは明らかに違って異質。たった1人の先生であり、父親のような役割を果たしている存在です。この人も年を取らないし死にません。

男性なのに男性を感じさせない僧侶という恰好。学園風なのになんだか徹底的に性別を感じさせないっていうのも意図的なものを感じるよねww。

設定マニアの私としては「なぜ?」と細かく突き詰めたくなるんですが、そいつは野暮です。このアニメはこの壮大な曖昧さも魅力の一つで、設定装置の一つなんだと気がつきますよw。
これは哲学的思考実験、そう考えるとすんなり腑に落ちます。学園物がモチーフです、しかも美少女戦士物ですww。美少女戦士に理屈は通じません、そういうものだと思った方が平和ですわww。

アニメの方は主人公フォスの成長物語で、成長していくからこそ謎に疑問が生まれ、解決に動き出すといったストーリー。
漫画の方は同じ展開ですが、もっと哲学として複雑で謎に対しての答えも展開していき、人とは何かを問いてくるストーリーです。

主人公フォスフォフィライト(フォス)に感情移入できる人はご同類w

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【アニメ】 宝石の国

  • ガチャガチャしてて面白いキャラ!
  • 感情移入して胸が痛い!

あなたはどっち?

感情移入しちゃうんだったら、この「宝石の国」あなたにとってアタリです!
作者の市川春子は元グラフィックデザイナーで、社会人としてだいぶもまれてきたみたいなんだよね。多分作者本人がフォスと同じ経験、もしくはかなり親しい人が同じような経験をしてるんじゃないかと思いますよ。同じような経験をしてないとさすがに裏の意味までは示唆できないと思うからね。

私はもちろん感情移入派、なんだかダメダメだった若い頃の自分を見ているようで・・・うぎゃぁあああああ!ってなるw。いや、ほんと、マジで w

だったら何度も繰り返して観るな!って話なんだけど、観たくないんだけど観てしまうという、なんだかゾワゾワ感がMっ気を刺激されんだよなぁwww。正直こんなに大人になって感情移入しちゃうのは初めてかもしれないです。

非常にコミカルに描かれているんだけど「全く売れない落ちこぼれ営業マンがウルトラトップ営業マンに成長していくストーリー」と途中までは同じ構造なんですよね。

明るくポジティブで根拠のない自信にあふれてるのに、どんくさくてみんなの足を引っ張ってて何をやらせてもできない、そのくせ口と態度だけは一人前・・・私だ! そう思った人も少なくないはずww。
生活費のため王道じゃ手も足も出ないんで邪道我流を極めて行ったら思わぬ自分だけの武器が見つかって、っていうのを、このタイプは少なからず経験してるんじゃないかな?

ただこれはサクセスストーリーであって、自己啓発本の「陽の部分」だけなんですよね。

実際経験してるとそんな陽の部分だけじゃなく、むしろ外からは見えない「陰の部分」の方が自分の中ではハッキリしてくるんだよね。この作者は、その「陰の部分」にスポットを当てて、さりげなく、分かる人には分かる表現と言い回しで描写してくるんで、おじさんの胸にグサグサ刺さるんだよねww。

多分ね、物語の半分以上を占めてる重要ポイントのはずなのに、これ、若い頃や学生の時に観てたら、サラッと流しちゃうとこだと思うんだよねぇ。自分にそんな経験がないから、多分何もフックに引っかかんないと思うんだよww。

「おい、強くなって満足か?」
「・・・いいことがない」
このセリフの重みが分かるかなぁ? 分かんないだろうなぁww。
自分が強くなるために身につけた武器のせいで、
「重くて今までのように自由に動けないから」
この言葉の裏の意味とか、読み取るのって結構シビれるんだよねww。

フルCGアニメーションなのに、やたらポップでコミカルなキャラクター設定、曖昧な世界観のおかげで重苦しさは全く無いけど、やっぱりどこか大人味のするアニメだと思うね。

パッと見た感じ子供向けだけど、絶対大きな大人のお友達向けだよww。

1クール12話分で終わりとはいえ、おじさんなんだかんだ言ってこのムズムズするアニメを5回はVODで流し観してますわw。もう、Mに目覚めそうww。

いろいろやらかしたあの頃の自分に蓋している人は、逆に観ないほうがいいかもよw。
この主人公フォスに感情移入できてしまった人は、私とご同類ですわ。
もう、「宝石の国」は観る宿命ですww。

ファニーなキャラクターに騙されるけど、かなり「哲学的」なストーリー

ファニーなキャラクターに騙されるけど、かなり「哲学的」なストーリー

キャラクター達のファニーで楽観的な明るい性格のおかげで、非常に軽く観られるし面白いんだけど、隠れたテーマはかなり哲学的。

アニメは特に、分かりやすさ、何気なく理解させることに重点が置かれているので、あまり考えないかもしれないけど、結構怖い基本設定ですよww。

物語の核となるのは人を「骨・肉・魂」に分けることによる単純化純粋化

人間をこの3つに分割してしまうという、作者の思考実験を見ているような気すらしてきます。

純粋な要素で分けることによって人は純粋になりえるのか?
純粋であることは、弱さなのか、強さにつながるのか?
純粋さは頑なだが脆いという要素を内包してしまうが、それを抽象化するのではなく宝石人という存在に具体化させて行動させたらどうなるのか?
骨・肉・魂は単独であれば、どのような行動原理を軸として行動するのか?

なかなか深いストーリーですw。
実際この物語の中で出てくる人物って、全ての行動原理がある意味非常に純粋なんだよねww。

そんな中で、唯一の混ざりものである主人公フォスという不純の存在がいろいろかき回します。
ある意味もっとも複雑な「人間」に近づいていくわけなんですが・・・。

1番脆くて純粋であった存在のはずだったのに、予期せぬ出来事でいろいろ異物が混ざり合うことによって、正反対の、硬くて柔らかくて粘り強い存在になっていきます。よくよく考えてみたらこんなに外観が変わる主人公って見たことないよね。まあネタバレしないようにするけど、絵柄が変わるという話ではなくて、ホントにガチャガチャ変わっていきます。漫画の方で見ているとわかるんだけど、ちょっと笑っちゃうぐらいだよねww。ほかの漫画でこんな主人公見たことないww。

おそらく昆虫などの生物学的に言う「変態」を意味しているんだと思うんだけど、なかなかいろんな要素をぶち込んでくるので、学者肌の人ほど深く楽しめるかもしれないですよ。

まあこの混ざるっていうことによって、純粋さを失うけど、それ故に「純粋さを求める」ある意味人間になっていくっていう、不思議な心理実験が行われているような気がしてます。

人とは何か? 人を造り出している要素って一体何なのか? 純粋さとは一体何なのか?

おそらく絶対に答えは出ない問いを、ものすごく遠まわしに、でもストレートに問いかけてきているような、非常に哲学的なエンターテイメントファンタジー作品と、私は捉えてます。

このあと斜め上行く展開に!続きはぜひ5巻から漫画で読んで欲しい!

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アニメは非常に切りのいい1クール12話で謎を残したまま綺麗に終わっています。
このまま余韻を残して終了でもいいんですが、続きが気になる人は漫画をご覧ください!

まあ、そうはいっても続きが気になるよねw。アニメしか見てない人に! この後とんでも展開が待ってますw。
フォスがアレだとか、月人がソレだとか・・・う~ん、ネタバレしてもいいから言ってしまいたいw。

アニメの方は漫画5巻の真ん中ぐらいまでなので、続きが気になるのであれば5巻から続きを読んでみると分かりやすいかも。

実際ストーリーとすればこの後、怒涛の展開となっていくんですよね。フォスがアニメ9話で覚醒してから、宝石の国の核心となる部分の謎が、めちゃめちゃ動き始めます。

ある意味、え? マジで?

という、それまでの設定が全部ちゃぶ台返しされるっていう、びっくりするような展開が続いていきます。さらに、おいおいお前らの時間感覚ってどうなってんの?っていうような時間経過があったりもしますよw。
これを最初からおそらく作者は計画してたんだとは思うんだけど、そうだとしたらあんた天才か!って私は言いたいww。

この後のストーリーを哲学的に言えば、通常、「破壊」「融和」「昇華」のどれかの段階に入っていくはずなんですが、この3つが並列に並んでカードを出し合うという一番厄介な状況に陥っていきます。
どうなっていくのか楽しみですww。

このアニメを見て、この世界観の謎にハマっちゃった人は、ここからが特に目が離せない展開になって行くのでこうご期待ww。

「宝石の国」レビュー まとめ

「宝石の国」フルCGアニメでコミカルなのに深い哲学感が堪能できる作品。評価・感想などおじさんが勝手にレビュー♪

私のおすすめ、宝石の国(ほうせきのくに)を紹介しました。

ぶっちゃけこの宝石の国は、アニメにしてもマンガにしてもかなりマニアックな方だと思います。
正直普通のアニメ解説を期待してた人には申し訳ない、ん?なんだこりゃ?っていう内容になっちゃったかな?

主人公フォスの成長を中心に、宝石人と月人の攻防が圧倒的な色彩美とほかのアニメでは見たことがない独特の表現で描かれています。本当のアニメマニアからはかなり邪道なところにいる作品だとは思いますが、妙に引き込まれていくストーリーで、私としても是非いろんな人に見てもらいたいと思うアニメですね。フルCGで作られているので、意外とアニメにあまり興味が無い人でも見やすいかもしれないですよ。

アニメはU-NEXT、アマゾンプライム、huluなどのVODで観られますし、漫画はアマゾンでデジタルで手に入ります。

哲学的なテーマでもある、純粋な世界で唯一の混ざりものになってしまったフォスだからこそ「純粋であろうと葛藤する姿」にも注目してください。

私個人としては、一般的なアニメとはちょっと毛色が違うところがかなりあるので、日頃アニメを観ない人こそハマるんじゃないかと思ってますよ。

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本ページの情報は2024年1月時点のものです。
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